|
|
|
集団遊びと仲間関係の育ち H25.2.22
子ども達のエネルギーが注げるものをいつもそこに置いておきたい。そんな気持ちで今年も年間通して行ってきた集団遊び。そして今、仲間とうまく関わり合いながら、子ども自らより楽しい方へと活発に展開している(=園目標)。喜びにあふれた顔を見るにつけ、うれしさがこみあげる。が、4月にはまた新クラスで信頼関係を築く所からのスタート。そう思うと今のクラスでいる残りわずかな日々を子ども達と共に思う存分過ごしていきたい。
《年長組》ポケモンドロケイからの発展
「もう全滅?」「早いよ。」という言葉をよく耳にするようになった。あっという間に全員つかまえてしまうからである。すると「ルールを難しくしようよ。」「走るのが速くなったし、ミッションあった方が楽しいよ。」と次々に声があがり皆で新しいルールを加える。今では何かに気付くと誰かが声をあげ、まわりの子達がそれに応える。「タッチされたらジャンケンして勝ったら逃げていいっていうのは?」「普通のジャンケンじゃつまらないから“ゴーシュート”って言おうよ。」「“勝負だ”っていうのは?」とアイディアが出る。が、いざやってみるとまだ何か物足りない様子で一回戦が終わると再び話し合う。「もっと面白くならないかな?」「勝ったら嬉しいポーズ、負けたら悔しいポーズを付けてみるのはどうかな?」「いいね!やってみよう。」と考えては実践を繰り返しながら皆で作り上げていく。逃げながらもどんなルールを増やせるか等の改良点を探したりもしている。ルールが自分達に合ってくると楽しさが増す様で会話も増えたり、より役になりきりながら逃げたり、追いかけたりしている。そして園庭中至る所でバトルがおこっている。真剣な分、その顔は戦士のように凛々しい。又、あとから入って来た子や新しいルール、ポーズが増える度に、友達同士教え合っている。回数を重ねるごとに皆のボリュームが自然と大きくなっていき、のめり込んでいる様子が伝わる。どのクラスもそれぞれのルールで展開したり新しい遊びをあみだしたりして盛り上がっている。そして楽しい物への探求心は、互いに刺激し合う事でいっそう増し続けている。
《年中組》ドッチボール
「ジャンパーソン。」の合図でゲーム開始。すぐさまボールを手に取ると相手コートめがけてボールを投げる。「○くん当てて。」「お尻向けたら当たっちゃうよ。」「ほら、こうやって(体をくの字にして)よけて。」とあちらこちらから声がかかる。この一年仲間と過ごしてきたからこそ自然と言葉が出る。やり始めたばかりの頃は、ボールに当たらない様に逃げる事で精一杯…。しかし今では飛んで来るボールを取ろうと「ヘイ、ヘイ、カモ~ン。」と必死に手を伸ばし待ち構える。ボールに当たるのを恐がっている子がいると「僕が守ってあげるから後ろに隠れて。」「○くんかっこいい。」「キャ~。」「先生も一緒にいいよ。早く。」となんとも頼もしい姿。自分がキャッチしたボールを、投げていない子に「さっき投げたからどうぞ。」と差し出していたり「パース。」と外野にボールを回し「早く当てて戻ってきて。」「OK~行くぞぉー。」と素早くはさみうちをし、チームワークもバッチリ。ボールを当てると「○くんやったね。」「おかえり。」とハイタッチをし、一緒に喜び合う。ドッチボールに自信がなかった子も「○ちゃんもう少しで当てられたのに。」「おしかったね。」と友達同士言葉をかけ合う中で喜びにかわり徐々に力をつけてきた。友達の言葉は心強い。スピードも出てきて本当に楽しい。力が入りすぎて投げたボールが自分の前で落下したり、仲間の子にボールを当ててしまったりと微笑ましい光景もあるのだが、一生懸命ボールの行方を目で追いコート内を走り回っている。
《年少組》追いかけごっこ
追いかけられてつかまりそうになると、手を前に出し「ハッピーシャワー!」とプリキュア(アニメ)の魔法をかける。すかさず「ウルトラビーム!」とかえされ「うわぁ、やられたぁ~。」と叫ぶ。鬼ごっこもスカートや冠などの変身グッズを身につけると、よりなりきるので面白い。「姫、ここは敵がやってくるわ。逃げましょう。」「わかったわ。」「向こうの安全な場所に行きましょう。」と広い園庭をみつからない様に大移動する。「へへへ、みつけたぞ待てー!」いよいよ逃げきれなくなると新聞で作った剣で戦いごっこを始まる。「えい!負けないぞー!」「ダメだわ、みんな助けて~!」大きな声を出す。すると「あ!○ちゃん(姫)がやられてる、行くぞ!」と側にいる仲間に声をかけすぐにかけつける。一人が言葉を発すると、年少組でも今ではすぐに全体に伝わり、会話のやりとりが増え、遊びがどんどん広がっていく。「ウルトラマン、悪者をやっつけてちょうだい。」そう言われて更に胸をはる。頼もしい。「OK、任せてくれ。」まるでテレビのワンシーンを見ている様だ。子ども達の関わりが深くなってきた今、楽しそうなものには自然とクラスの大半が集まり、心地よい一体感が生まれる。仲間と想像の世界をイメージし合い、やりとりをかわし、時間の経つのも忘れて遊びを楽しんでいる。
|
*園だよりトップへ |
仲間と楽しさを濃く H25.1.25
1つ雪を投げるとそのクラスにとり囲まれ集中攻撃される。相手は年長、そのすさまじさについ大人を忘れ、もっと大きい玉を作り、今度はぶつけてすぐに逃げる。しかし、雪で上手く走れない。一方、子どもは平地をゆくがごとく雪をけりあげ突進して来る。さすが毎日走りまわって遊んでいるだけある。カッコイイ!そして、しまった!!いよいよぶつけられるかと思いきや、その前にガシッと先に体をつかまえられる。予想外。容赦ない力で身動きできない。ここで再び仲間にとり囲まれ、やっぱり集中攻撃なのである。1人を雪上に転がすと皆に押されてこちらが倒されのっかられる。重い!なんと担任まで腰かけているのだからびっくりだ。機敏さも協力体制も強固になった年長組にはもうかなわない。
それなら年中だと思っていくと、担任だけ動いていた1時間程前とは動きが違う。誰もが雪を投げ返し敵を追い払う。こんなにも早く変化するとは…。この短時間に周りに影響されたり他クラスと対戦した成果だ。遊び方さえわかればあとは普段の下地が現れる。さすがに玉の勢いは弱いが大勢でやられるとお手上げだ。そのうち誰かが氷のはった小川(巾30cm 水深5cm程)の上を歩きたいと言い出す。「やってみたら?」7,80cm程の急坂をおり、乗ったとたん案の定、バリバリっと割れ、ズボズボと水の中に入る。わぁ!!…キャハハ…。長ぐつだから平ちゃら。ところが今度は今おりた坂が登れない。雪がある上、体中を斜面につけるものだから余計すべり何度もズルズルおちる。見かねた仲間が上から手をさしのべ無事救出。自然がもたらす予期せぬ出来事にドキドキだ。変わるがわるそんな事をしていると担任がやってくる。そしてやっぱりバリバリ、ジャポン!子どもも大人ももう一緒。
かまくら作りの年中は力強い動きと集中力で仲間と一丸となりどんどん大きくする。もう年長の香りがする。その横で年少のはスカイツリーの様にまだ細い。のぞくと「一緒に作ろう!」「ねぇねぇ、手伝って。」やる気は十分。力が欲しければ周りに頼む所など大したもの。そう言われては断れない。年長が背よりも大きな雪だるまを完成すればこちらの年少組は1人ずついつものおだんごを2つつけ、小さなだるまを作っては皆で延々何mも並べている。どちらの出来も、いとおしさの中に仲間と関わった形跡を残す。園舎裏ではダンボールでそり遊びのクラスがキャーキャー言っており、まるで北国に迷い込んだ様。駐車場も区切ってほぼ使い、子どもも大人もさんざん遊んだ。ここ何年もない大雪のおかげ。
興味深い1つのものを通して自由に遊べる空間では、いつもよりおしゃべりになり、表情豊かになり、仲間との楽しさも濃くなる。そして押しつけず平行しながら積極的に遊ぶ担任の姿は活性化を促す。「あー、楽しかった!」子どもからも大人からもよく聞く言葉。同じだけ思いを共にした分、心は近づく。残りの日々も思う存分楽しんでいきたい。その中でクラス目標へ向かい、最後の調整に入る。 |
*園だよりトップへ |
《年長組》絵画(共同画) H24.12.14
「今日はこんな大きな紙(模造紙)に友達を描くんだぞ。大変そうだなぁ。みんな難しいと思うだろ?」絵画の講師、古澤先生は男性ならではのトーンの低い口調で担任とは違う切り口で入る。「でもここに実際ねころがって型をとったらなんだかできそうだろ。やってみるかい!」そう言われるとなんだかやってみたくなる。紙上にモデルの子の型をとり終えるとさっそく観察が始まる。「あ、ここにほくろがある!」「○○君のまつ毛は長いんだね。」「顔の色はお日様浴びて元気な色だね。」と普段一緒にいる友達でもよーく見る事で新しい発見をする。描いているうちに疑問が出ると「○○ちゃん、もう一回同じ格好をして!」とその度にモデルの子はポーズをとる。「あ、ここまでが服だから○○ちゃんここから腕の色ぬって!」「OK!」「服の英語も描かなくちゃ。」「○○ちゃん上手だからくつ下のポケモン描いてくれる?」グループの子ども同士、モデルと絵を見比べ、声をかけ合いながら作業を進めていく。
絵の苦手な子も友達から「○○くん、ここ描いてくれる?」「一緒に青、使ってぬろう!」と声がかかるとスムーズに取りかかる事ができる。また、別の日に人物のまわりを描いた時もクラスのテーマのもと「○○ちゃんが電車描いたから僕は線路を描く!」「じゃあ、上の方は空にして下は地面がいいんじゃない?」「そしたら花も描こうよ。1人のきっかけから連想し、話し合いながら動き、個人画とはまた違う絵の体験をしたのだった。
《年中組》もちつきまで H24.12.14
もちつきに向け、各クラスでは「おもちをつく時、美味しくなる魔法のおまじない、何が良いかな?」などと子ども達に問い掛ける。すると「やわらかいおもちになーれは?」「金のおもちは?」「それ良いね!」と子ども達から意見が出る。中には「塩味のおもちは?」「え!?しょっぱくなっちゃうよ!」「はははっ!!」子どもらしい発想に笑い合いながらおまじないを決めていく。「じゃあ、次はおもちつきの練習しない?」とあるクラスでは、牛乳パックを杵にし、テープを丸く床に貼り臼を作る。「お餅が無いから入れよう。」と新聞を持ち出し「お米だから小さくね。」と、ちぎって餅米の粒にもこだわる。昨年もちつき経験のある子がリードをとり「ぺったんぺったんぺったんこ!きらきらおもちになーれ。」リズムを取りながら2人ずつ交互に餅をつくまねをする。「ちょっとやわらかくなってきた!」「本当だ。良い匂いがする。」臼の周りに集まりくんくんと鼻を動かし、すっかりもちつきごっこの世界に入っている。「食べたい!」と手を伸ばすと「まだお米だからお腹こわしちゃうよ。」と言われる。体の小さい子に順番が回ってくると「大丈夫?本当の杵は重いから気を付けて。」「持てなかったら手伝うからね。」「おまじないの時、頑張れってパワー送るから!」と色々な子からあたたかい声がかかる。餅がつき終わると皆で食べる真似をし「美味しいね、僕のはあんこ。」「私のはのびるよ!!」こんな事をしながらどのクラスも「早く本当の日が来ないかな。」「あと○日寝たらだね。」「今日ももちつきごっこしよう!」「ぺったんぺったんぺったんこ♪」とリズムに乗って歩いたりもちつきの日を待ち遠しく過ごしたのであった。
《年少組》さつまいも H24.12.14
子ども達の楽しみにしていたさつまいもほり。畑に着き園長先生の話を聞いてからいもほり開始。「よーし、ショベルカーに変身だぁ!」「私はもぐらになる。」と言って両手で土をどんどん掘っていく。6月のじゃがいもほりでは「手が泥だらけになっちゃった…。」「うわぁー、虫がいる~。」と土の上の方を撫でているだけでなかなか芋を掘り出せなかった。しかし今では手を深く入れていたり「あれ、虫さんもおいも食べに来たのかな?でもこれは僕のだからね。」と言って虫に食べられまいと急いで掘る姿も見られる。友達に「顔に土がついてるよ。」と言われても「あとで洗うから平気!平気!」とへっちゃら顔。実にたくましくなった子ども達である。そして「見て、僕の顔より大きいよ!」「うわぁーすごい。」「私のは赤ちゃんいも。」「僕のはバナナいも!」と自分の掘ったいもを見せ合って楽しんでいた。また、畑からの帰り道、芋が入った袋をリュックの様に背負って帰った年少組。「うぅ…重いよぉ…。」と言う子がいると「大丈夫?一緒に持ってあげるよ。」「頑張って!あと少しで着くよ!」などとすかさず励ましの声がかかる。あるクラスでは「ねぇ、こうやって手を上にあげてごらん?なんだか軽くなるよ。」という誰かの一言に早速皆で真似をし、なんともおかしな光景で園まで帰ったとか。到着後はすぐに子ども達と調理をし、とれたてを味わった。一緒に芋を切ると「いい匂いだね!」「おひげがあるよ。」「ねぇ、外は紫なのに中は黄色だよ!?なんでだろう?」などと興味津々。昼の時間にできあがった芋を食べると「甘―い。」「ホクホクでおいしーい!」「ほっぺがおちちゃいそうだよ。」と皆笑顔になる。「もっと食べたい!!」と言って多くの子がお弁当後に何度もおかわりをし、ぺろっとたいらげてしまった。 |
*園だよりトップへ |
職員室にて H24.11.22
子ども達にとって少々緊張する職員室。先日たった一人で来た子がドアの前で立ち止まり、肩で大きく息を吸った後、はっきりとした声で「失礼しました。」と言い、出て行った。毎年今頃になるとこの様な光景を目にする。勇気を出して自分の力で一歩前に進む姿だ。胸があつくなる。
職員室では静かに、と担任から言われ、入ればフリーの職員が真剣な顔で仕事をしている。子ども達にはそんな空気がすぐに伝わる。しかしクラス内では様々な挨拶ができる様になり自信がつき出したこの頃、この固い空気の職員室で変化が見られている。
職員室の玄関にはうさぎ小屋の鍵が置いてある。取りに来るのは当番の子だ。その際しまったドアの向こうから中の職員に「失礼しまーす。」と大きな声をかけていく子ども達。わざわざドアをあけて「鍵、取りに来ました。」と加える子もいる。
園外から帰ると職員室の窓をあけ「○○組、(公園から)ただ今帰りました。」と報告、代表としての責任をしっかり果たす。中の職員が気づかないと再び「ただ今帰りました!」と確実に伝えるのだから舌をまく。担任もよくわかっていてもう付きそいで来たりはしない。
一方、度々用事があって来る子は今ではとてもリラックス。決まった挨拶の後「今日は雨だね。」などと仕事の邪魔にならず、なおかつほっとする言葉を残していったりする。実におみごと。同じ挨拶でも基本形に自分なりのものが徐々に加わり、様々になっている。またそれを見た子が今度は自分にとり込む姿も見られる。
ある日誰かがふざけて職員室の窓をガラッとあけてしまった。瞬間、見ていた同じクラスの子の顔色が変わる。そしてたいそう申し訳なさそうに「ごめんなさいね。」と大人の様な口調で謝り、すばやく窓をしめた。
また別の日、ドアの向こうがガヤガヤしている。どうやら狭い玄関にたくさんで入り込んでいるらしい。すると中の一人が「静かにして!(うさぎの)野菜もらう人しかここ(玄関)に入っちゃいけないんだよ!」と言い、騒いでいる年下の子を外に出し、静かな2,3人程を残す。静けさを取り戻すべく即座に動いたのは年長さん。さすがである。
まだまだ一年の途中、アレ?と思う事もおこる。それでもようやく集団(クラスや園)のルールのもとで自分を発揮しだしている。そして担任よりも仲間どおしで教えたり教えられたりの形になって来た。これからは共に大きく育ち合う喜びの季節である。 |
*園だよりトップへ |
クラスだよりから H24.10.26
《年少組》絵本の世界ごっこ
雨が降った日の室内遊びで「絵本屋さんやろうよ。」「いーねー楽しそう。」と子ども達が絵本屋さんの準備を始めた。クラスにある絵本を積木の上に並べ早速始まった。「いらっしゃいませー。」とお店の人、「これください。」とお客さんの人。自然と役割りが出来て皆で絵本を買うのを楽しんでいた。ある日「私は今日この絵本を買って絵本の世界へ行くわ。」とAちゃんが突然言った。一体絵本の世界ってなんだろう…?と私がワクワクしながら聞いてると、どうやら絵本の世界とは好きな絵本を買い、その絵本に魔法をかけると絵本の中に自分が入れるという遊びだった。“これは面白い”と思い私もやるのを楽しみにしていた。すると早速「あら、こんな所に池があるわ。」「本当だ。お腹も空いたし魚を釣ってみよう。」ともう絵本の世界に入っている子ども達。私もすぐに「大変!この魚大きすぎて釣れない。誰か助けてー。」と言うと「僕はこの森に住む博士だよ。困っている人を助けよう。」「私は、あそこのお城に住むお姫様よ。任せてちょうだい。」と次々にその絵本に出て来ない架空の人物も加わり、ぱんだ組オリジナルストーリーが始まった。「この魚はきっと大きいからサメだよ。」「力を合わせて引っ張るよ。」「オーエス、オーエス。」皆で魚を釣った。「わぁー釣れた。」私がその場に倒れると「やっぱりサメだったね。サメを釣ったあなたは凄い。私のお城に招待するわ。」とお姫様。そしてお城に着くとコックさんやお手伝いさんがご飯を作って待っていた。なんて凄い連携プレーなんだと私は思わずビックリしてしまった。「さぁ、どうぞ!いっぱい食べて下さいね。」「ありがとうございます。」「あっ、ちょっとさっきの池でまた誰かが呼んでるよ。」「助けに行って来ます。」「ラプンツェルはご飯を食べていて下さい。」…んっ?私はいつからラプンツェルになっていたの?と思いながらも「はい…。」と返事をした。しかしそんな事は気にも止めず、さっきの池ではまた、釣れない魚を釣っていた。するとお城に突然ブロックで作った鉄砲を持った悪者たちが侵入してきた。「バンバン!」「うっ…苦しい。」とその場に倒れ込むBくん。“ピーポーピーポー”すかさずお医者さんが飛んで来る。「どこが痛いですか?」「注射は少し痛いですが、泣かなかったらおもちゃを買ってあげますよ。」と何とも優しいお医者さん。倒れていたはずのBくんも「泣かないから。」と思わず答えている。笑いが止まらなかった。しかし子ども達はとても真剣。いつしか最初の開いたページの絵本から話はどんどん変わっていたが、次々に展開される物語が楽しくて仕方ない。今ではどの絵本でも開いたページをきっかけに様々な役になりきって遊んでいる。その姿はとても微笑ましい。以前は個々に遊びを楽しんでいたが、今では1つの事を仲間と楽しめるようになってきた。これからも友達との関わりや会話がたくさん生まれる環境を用意し、クラスの仲を深めていきたい。
《年中組》集団での育ち
「当番の仕事何にする?」私の問いかけに「牛乳パック捨てに行く。」「落とし物を拾って届ける。」「あっ、いいね。」「体育館掃除!!」「うさぎをしまう。」「あと、ザリガニに魚を見せる。」「えーっ、魚食べちゃうよ。」「もぉー、面白いなぁー。」と次々に意見が飛び出し、笑い声が響く。皆で仕事内容を決め二学期から始めた当番活動。最初の頃は「今日の当番は誰?」と私が主に子ども達に聞き促してきたのだが、徐々に「○ちゃん今日当番だよ。」「やったぁ―。」と当番表を見に行き、友達同士で声をかけ合う様になってきた。ご飯を食べる前に「お弁当ありますか?」などと声をかけるのも大事な当番の仕事。緊張している子や「何て言うんだっけ?」と不安そうだったり、困っている子がいると「一緒に言おう!」と声をかけたり、小さな声で耳打ちをしてすぐに助け舟を出す。言い終えるとあっという間に表情がやわらぐ。「(セリフ)合っていたよ。」「言えたね。」としっかり友達同士で褒め合い、励ます事も忘れない。また皆の前で意見を言うのは、とても勇気のいる事で話し合いなどでは、同じ子が発言する事が多く自分の気持ちを言える子が少なかった。最近では「バナナ鬼したい。」「リレーはどう?」と自分のやりたい遊びを言っている子の横で、まだ発言していなかったり、迷っている子がいるとすぐ様「○ちゃんは何したい?」と友達に意見を聞く。するとさっきまでもじもじしていた子が「私は、鍵どろけいがいい。」「最近やってないし、いいね。やらない?」「うん、いいよ。」とその子に代わって気持ちを代弁する姿がある。自分の気持ちが友達を通じてでも伝わる事で、皆の前で意見を言う事への自信へとつながっていく。以前は私が子ども達の変化や出来た事を話していたのだが、今では「○ちゃん走るの速くなったね。」「うん、なかなかつかまえられないよ。」「○くん鉄棒できるんだね。」「すごーい、どうやってやるの?」「○くん今日支度早いね。」などと友達の事に気づき自分の事のように一緒に喜び合う。そんな姿をみるとうれしい。友達に言われると一段とやる気が出るので、友達の力は本当に偉大だ。そして面白い事も皆と共有するようになってきている。ある日、走り競走をした時の事。到着した子達が何人かで決めポーズ。「何のポーズ?」「あっ、分かった。ボルトでしょ?」「そう、見てて!!」「皆頑張れぇー。ボルト~。」と満面の笑み。知らない子もいたのだが、楽しそうな様子に次々と真似をする子達。中には、照れながら行っている子もいたが、「ボルトー。」と叫び皆でポーズを決めると自然に笑顔になったのだった。このように園生活の中で仲間と関わり、友達の事を考え思いやり、気にかける様になってきた。これからもお互い助け合いながら、自信を持って取り組める様援助していきたい。
《年長組》秋さがし
「今日は散歩に行くよ。」と私が言うと「やったー!」「探検だー!!」と子ども達のテンションは一気に上がる。歩きながらも「いい物、見つかるかな?」「お宝あるかな~?」と探検家気分で楽しそうに会話が弾んでいく。すると「あっ!くっつき虫発見!!」「夏にはなかったよね。」「秋だからじゃない?」「そっかぁ~。」と表情が変わっていった。私は季節の変化に気がつく子ども達に驚きながらも、とても嬉しく感じていた。又、それに追いうちをかけるかの様に「じゃぁ~今日は皆で秋を探そうよ。」「いいね~、今日のお宝は秋だー!」とキョロキョロ秋さがしがスタートした。風が吹いた瞬間「葉っぱがガサガサいってるのは秋かな?」と一人が言うと「枯れて落ちてきてるから秋だね。」「風が涼しいのも秋だよねぇ~。」と嬉しそうに歩く。公園についてからも止まる事なく落ち葉や紅葉を見つけては皆で「秋Get!!」と喜び合う。また坂の芝生の上でコロコロ転がりっこをしていると一人の子が「あっ!雲がもくもく雲(入道雲)じゃないよ。」と言った。「じゃぁ~、このパラパラ雲は秋だ。」「○○ちゃんすごいのを発見したね。」そして互いに「イェーイ!!」とハイタッチをしていた。しばらくすると「ねぇ~なんか匂いしない?」「ん?何だろう?」と皆で辺りをクンクン匂いを嗅ぎ始めた。私も子ども達と一緒に捜査開始!!石や木の実などの匂いを嗅ぎ「これじゃないね。」「匂いどこに行っちゃったんだろう?」と周りを探す。が、なかなか見つけられず諦めかけたその時、目の前にカマキリが現れた。「あっ!茶色のカマキリだ。」「なんで緑じゃないんだろう?」「分かった!制服が変わった(衣替え)のと同じで着替えたんじゃない。」と匂いの元を探す事も忘れカマキリに夢中になっていった。そこが子どもらしくて微笑ましい。それからもドングリやきのこ、ススキと次々に見つけ、幼稚園へ向かって歩き出した。すると突然「さっきと同じ匂いだ。」「あっ!このオレンジの花からだ!やっと見つけたね。」と話しだし「先生この花何?」「秋?」と私の答えにドキドキした様子。「キンモクセイって花で秋に咲くよ。」と言うと「これが秋の匂いかぁ~。」「いい匂い。」と大きく息を吸い込んだ。沢山の『秋』という宝を見つけられた子ども達はとても満足そうにしていた。次の日も秋さがしは終わらず「○○くんの手が夏は熱かったけど今はぬるいから秋だね。」「皆長袖だから秋だ。」「冨士山、雪がかぶってるから秋だね。」見つける度に皆に教え合い、皆で同じ物を見たい、感じたいたい気持ちが強く伝わってくる。仲間としての繋がりが濃くなってきているのだ。今までに色々な話し合いを繰り返しながら一人一人が自由に発言できる様になてきた。それは遊びなどの楽しい活動や向上に向かう話し合いの中で育ってきた。そして更にその中で達成感を分かち合ってきたからだ。 |
*園だよりトップへ |
自分達で動かす力 H24.9.24
自分達の事は自分達で動かそうとする姿が増えてきた。「バナナ鬼は(どお)?」「ドーナツ鬼やりたい人、この手に止まれ。」と暑い中でもガンガン走りまわる遊びをあげ、積極的に進める子ども達。そして「最初の鬼は先生ね!」と決められる。ここで「えー?!」と言えば公平な形での鬼決めをしてくれる。が、今日は2学期も始まりたてだったので大サービス。「いいよ。その代わり私、速いからね。だってシュンソク(子どもに人気の靴)履いてるから!」「・・・」対抗されるかと思いきや、あ然顔をされて拍子ぬけ。
それでも「よーい、どん!」いざ始まると年中とは思えないすごい回転で動く。人数は14,5人。(20人以上の時もある)逃げるスペースが小さいと「これじゃせまいよ。ひまわりにしよう!」と1人が言い、そう思った皆が地面に描いたドーナツをひまわりの形に直す。(ひまわりの方が逃げるスペースが広い。)
すると今度は、鬼にすぐつかまる事もなく、いいバランスで遊びが進む。さすがである。自分達に合わせて楽しい方向にもっていけるとは。それでもチームとしての動きが弱ければ遊ぶ仲間の一人としてこちらも言葉をかける。こうなってほしい所をサラッと伝えるのだ。「まさか自分1人だけ逃げてないよねー。」「(鬼に取られた)仲間の帽子、取り返してる?仲間はやっぱり助けないとね~。」すると少しずつチームの一員としての動きに変わる。2,3回戦やってきりのいい所で誰かが「水飲みに行って来る!」と言うと次々に全員が水道へ。うまく水分補給までやってのける。意志疎通も早くなった。
これも“何かあった時には皆で目を向け、思いを共有していく。”そんな積み重ねの中で育ってきたものだ。ありがたい事に日々の集団遊びの中では、これができる場面がふんだんにある。もちろんバックには担任の働きかけも欠かせない。日陰でやっても汗はザーザー、顔はまっかっか。それでも一学期静かだった子達が顔中笑顔で走りまわっているのだから、こんなに嬉しい事はない。
“自分達の意志で楽しさを大きくしていく力”、これが発揮されだすと皆、がぜん生き生きしてくる。“自信”と“生きる喜び”が合わさり、力がみなぎるのだ。今はまだ一年の途中、発揮具合いはクラスによっても様々、夏休み後で本調子がでない子もまだまだいる。が、いつの間にか集団の勢いに乗り、皆ぐんぐん進める様になる。 |
*園だよりトップへ |
ある日の遊びの中で H24.6.25
《年少組》どろんこ遊び入口
まだ担任主導の遊びではあるが、クラスの仲間と遊ぶ楽しさが分り始めてきている年少組。
砂場ではあるクラスがどろんこパンツ姿で山を作っている。担任が「よ~し!○○組のより大きい山を作ろう!」「もっともっと砂かけて。」「山ができたらペタペタたたいて固くしてみて。」と子ども達に見本を見せながら声も掛けていく。スコップも大きな山作りもどろんこパンツ1枚で遊ぶのも初めての子は多い。「じゃあ、次はトンネルを掘ろうよ。」と何人かの子どもとあちこちから掘り始める。「なかなかつながらないね。」「どう?先生の手見えてきた?」と聞くと自分の掘った穴を覗きこむ。「あっ見えた!」完成だ。「次はトンネルの中に水を流してみようか。」たくさん水を入れると穴からあふれ、川のように流れ出る。「ワー!すご~い!」子ども達が声をあげる。担任が手や足で触り「ほら、気持ちいいよ。みんなもやってみてごらん!」言われて触ってみると「キャー!気持ちいい。」と歓声があがる。何回か水を流すと山は崩れてしまったが、子ども達はその上にバタバタと乗り最後の最後まで遊びを楽しんだ。始めは手だけしかついていなかったどろんこだったが、いつの間にか体中についていた。
《年中組》意欲を大事に
「僕かくれんぼやりたい。」「かぎどろ(けい)したい。」と自分達で話し合い、遊びを決められるようになってきた。そこで、決まった遊びは「ばくだん鬼」(相手にボールをぶつけると鬼になる遊び)。「じゃあ、まず先生が鬼ね!」。ここは話し合いもせずにいきなり鬼にさせられ、すぐさま園庭を駆け始める子ども達。むきになってボールを投げ、鬼が子どもに変わってもすぐに当てられ再び鬼になってしまう大人。数ヶ月前まで年少だったとは考えられない程遊びがいい回転で進んでいく。新入園児もそんな流れに乗り一緒に遊びを楽しむようになってきた。走っている時の顔を見ると生き生きとしている。大人にボールを当てた時などは自信に満ち溢れた顔をする。
しばらくして、使っていないボールを当てられた。「このボール違うよね?」と尋ねると「いいの!ボールを二つに増やしたんだよ。」と子ども。すると増やした事で更に遊びの回転が早くなり盛り上がった。どうも過去の経験を思い出してそうしたようだ。
色々な場面で少しずつ見せ始めた子ども達の意欲的な姿。こんな動きをこれからも大事にしていきたい。
《年長組》共に遊びながら
「イェ~イ!1点入れたぞ!」とサッカーをする年長組。お互いに喜びを確認しあうとボールをセンターに持って行き、改めて続きを始める。得点を入れた方のチームの子が始めのキックをしようとすると「違うよ!こっちの(負けた)チームが先に蹴るんだよ。」とお互い教え合い、ルールあるゲームを進められるようになっている。ゴールのみの設定なので一つのボールを何人もで必死に追いかけ、園庭中をどこまでも走っていく。時にはすべり台の下へ、時には建物わきの細い通路まで、何人もの集団がドドッとたくさんのクラスが遊ぶ横をすりぬけていく。フェンスのきわでボールを大勢で蹴るとフェンスが壊れるのではと思う勢いである。今はまだ、大人1人がボールを奪えば点数を入れられる位のレベルだが、2学期後半にもなると全くかなわなくなる程体力や技術も付いていく。またチーム決めからゲームセットまで子ども達で進行出来るようにもなる。その日を楽しみにこの先も共に遊びながら、集団遊びの楽しさをたくさん味わえる様、援助していきたい。
|
*園だよりトップへ |
クラスに慣れる H24.5.25
りす組前のグリン廊下で裸足になり、大勢で横一列に寝転がり、くつろいでいる年中組。「気持ちいいね。」「空がきれい。」「あ、つばめだ!」景色がいつもと違って見えて面白い。隣とくっつき合った体もくすぐったくてクスクス笑っている。そのうち誰かが両足をあげだすとたちまちまねっこ。…これまた横一列に足をあげだす。そして通りがかりの職員に「おしり丸見え~。」と言われ、キャーキャー声を出して笑い合う。笑っては足を降ろし、足をあげては「おしり丸見え~。」と言われて笑いころげ何度も繰り返す。笑いすぎてお腹がよじれる。ついには起き上がりご自慢のパンツの柄まで見せに来る子まで出現。とっても平和でとっても幸せ。新クラスでの緊張の心が緩む。何日かするとまたまた同じ光景が目にとびこむ。今度は“おしり丸見え”に加え、でんぐり返しや虫歩き、担任の体によじ登ったりとバージョンアップだ。髪の毛をぐちゃぐちゃにしながらも笑い声がこの間より高らかに響いていた。
慣れない今はこんな開放的な時間がとても大切。そして同じ事を共有してくれる担任とは距離がグッと近づく。何日か後、トントンとたたかれたので振り向くと、そのクラスでずっと泣いていた子がニコニコ顔で話しかけてきた。本当にうれしい。
新入園児、進級児共に新しい環境で表情のかたい4月。「レッツゴ―、レッツゴ―、レッツゴ―ゴー!」とあるクラスの担任がリズミカルに歌いながら全員で廊下を歩いていた。別の場所へ移動するほんの少しの時間の事。それでも気分がかろやかになる。そのクラスが5月半ばに何でもバスケット(フルーツバスケットの何でも版)をした時の事。「女の子。」「ズボンはいてる人。」など普通に進む中「ハンバーグ食べた事ある人。」と担任が言った。すると次には子どもから「天丼好きな人。」「洋服がしましまの人。」と出て流れが面白くなってくる。しばらくすると今度は子ども側から「まゆげのある人。」と種類の違う愉快なものがでた。これは見逃してはならないと担任がほめると、更に「顔の丸い人。」「電気消して寝る人。」とユニークなものがとびだす。おかげでゲームは大笑いで大盛り上がり。
クラスに早く慣れる様にと進める1学期。とりわけ子ども心をくすぐるやりとりやスキンシップ、笑いなどはみるみる活動を面白くし、心をつなげてくれる。担任も腕の見せどころである。ここへきてようやく子ども自ら動き出すきざしが見えてきた。
※何でもバスケットとは…鬼が言った言葉にあてはまる人は席を交換しなければならないゲーム。座れなかった人が次の鬼。 |
園だよりトップへもどる
|