七夕会に向けて

《年少》踊り
6月になると、七夕会に向けて製作や踊り等、様々な活動をしていく。ある日「今度夜にお家の人と幼稚園に来てゲームとか踊りをする七夕会があるんだよ。」と話すと「夜?ちょっと怖いね。」「何の踊りをするの?」「七夕会って何?」と皆、興味を持ち、ワクワクしながら会話が膨らんだ。そこで「織姫と彦星が一年に一度、空に天の川ができると会えるんだよ。」「皆が踊ったり歌ってるのを見に来てくれるかもよ。」と七夕の話をしていくと「え?七夕会に来るの?」「雨じゃないといいね。」と早速楽しみに待つ子ども達の姿がみられた。その後、全園児の集会やクラスでソーラン節と忍たま音頭を踊った。普段から遊びの中で色々な曲をかけ楽しんでいた事もあって、一生懸命真似をする子や初めて聴いた曲のせいか緊張や恥ずかしさで、音楽を聴いたまま固まって担任の踊りを見る子等、様々だった。また「楽しかった!」「ちょっと難しいね。」という声も聞かれた。親しみがもてる様、各クラスで踊る機会も増やしていき、ソーラン節では「これは魚を捕るポーズなんだよ。」と教えると「いっぱいお魚捕る!」と夢中になり、忍たま音頭では“花火がドーン!”という所を思いきり飛び跳ねながら花火になりきる姿も可愛いらしい。「今日も踊りたい!」「お家でも練習してるんだ。」「私も!」と子ども達の意欲も高まっている。中には、担任を見なくても自然と踊れる子が、他児に刺激を与え皆その子の真似をしたり、踊りの途中での声かけでは、こちらが「もっとパワー出るかな?」「誰が大きい声かな?」と促していたのが、いつの間にか「○ちゃんすごい大きい声だった!」「○くんも大きいね。」「負けないぞー!」と子ども達同士で高め合う場面も見られてきている。徐々に園生活に慣れ、一つ一つの活動を楽しめるようになってきた。子ども達がより自分を出し表現していける様、こちらも全力で関わり遊んでいきたい。

《年中》短冊
一学期の行事の一つに七夕会がある。うちわや折り紙飾りを作ったり、全クラス集まって踊りの練習をする。年少の頃は上手く使えなかったハサミも思うように動かせるようになってきて、輪飾り用に折り紙を細長く切れたり、去年より少しレベルアップした飾りを作る事が出来ている。
短冊作りをした時の事、「短冊には願い事を書くって知ってる?」と子ども達に聞いてみると「知ってる!欲しい物書くんでしょ!」「サンタさんに伝える為だよね?」「そうそう!私も書いた事ある!」と“欲しい物”というワードからの連想で、すっかりクリスマスをイメージしている可愛らしい姿には思わず笑ってしまう。「七夕は織姫と彦星が一年に一回だけ会える大事な日で、二人が会えると空から皆の願いを叶えてくれるんだよ。」と伝えると、「そうなんだ!じゃあ空からでも見える色で短冊作ろう。」「うん!あと小さいと見えないかもしれないから大きく作らないとね!」「そうだね!」と七夕の意味を知った子ども達は更に積極的に作り進めていった。字を書くのが難しい為、年中では担任が一人ずつ願い事を聞いて書いていくのだが、「プリンセスになりたい!」「○○のゲームが欲しい!」と定番なものから「お菓子いっぱい食べたい。」「公園に行きたい。」と日常的なものまで個性が出ていた。完成すると「早く飾りたいね。」と嬉しそう。全クラスが体育館の笹に願い事を付ける為、「ちゃんと僕の見てくれてるかな。」と不安気な子に、すかさず近くにいた子が「じゃあ織姫と彦星に手紙を書こうよ!と提案し「いいね!○○組の短冊は魚の形ですよって教えてあげよう!」「そしたらちゃんと見てくれるね!」と他の子も加わり盛り上がった。長い期間をかけて準備を費やす行事の一つでもあり、子ども達のワクワク感もどんどん膨らんでいく。気持ちを込めて作った短冊もきっと七夕の夜空の届くだろう。

《年長》飾り
新しいクラスにも少しずつ慣れてきたある日、「もうすぐ部屋に大きな笹が来るんだよ。」(各クラス大きな笹を一本ずつ入れて笹飾りをする。)と話すと子ども達は「よっしゃー!」とガッツポーズをしたり、キラキラと目を輝かせ「楽しみだね!」と近くの子と手を合わせたりと大興奮。早速笹を豪華にするべく飾り作りが始まった。模様切り(四角や三角に小さく折った折り紙をハサミで切り、広げると様々な模様ができる飾り)では、眉間にシワを寄せながら黙々と切り取って行く。開くまでどの様な模様ができるか分からないこの飾り作りは大人も子どももドキドキである。いよいよ折り紙を広げ完成した飾りを見てみると一気に笑顔に戻り「見て見て!こんな形になった。」「なんかコアラの顔みたい。」「僕のはクモの巣みたい。」と嬉しそうにする表情が実に微笑ましい。そんな中ある子を中心に皆が集まり何やら盛り上がっている。「どうしたの?」と覗いてみると「すごいのが出来た!」と驚いた顔で見せてくれたその折り紙の真ん中は矢印の形に切り抜かれていたのだ。どうやら適当に切って広げたら矢印になったようだ。周りの子の「どうやったの?」「教えて!」の声にその子も得意気に教える。それはまるで小さな先生のよう。時には思い通り出来ず涙を流す子もいるが、そこはさすが年長。近くの子が「○ちゃんどうしたの?あ、これはこうするといいんだよ。」とアドバイスをする。友達に聞きながら手を進めるその様子に、見守っていたこちらも一安心。また、年長になり更に手先が器用に使えるようになってきた子ども達は「ハートの模様にしたいから…」と言って折った折り紙をハートの形に切るなど、目的を持った切り方も見られるようになる。大人が教えるだけでなく、自分達で新しく発見したり考えたりするのを楽しむ子ども達は、空いた時間を見つけては「先生!折り紙飾り作っていい?」と友達と関わりながらより素敵に作っていく。出来上がった沢山の飾りを部屋に付けていると「うわ~キレイだね!」「ね~早く七夕会にならないかな~。」という声と共に♪さーさーのはー♪と歌いだす。七夕会を心待ちにする様子がみられた場面であった。

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