子ども達のエネルギーが注げるものをいつもそこに置いておきたい。そんな気持ちで今年も年間通して行ってきた集団遊び。そして今、仲間とうまく関わり合いながら、子ども自らより楽しい方へと活発に展開している(=園目標)。喜びにあふれた顔を見るにつけ、うれしさがこみあげる。が、4月にはまた新クラスで信頼関係を築く所からのスタート。そう思うと今のクラスでいる残りわずかな日々を子ども達と共に思う存分過ごしていきたい。
(ふたばの集団遊びの人数は、クラスの半分から3分の2位です。)
《年長組》サッカー
体操でサッカー大会が開催される事を知ると「サッカー大会勝ちたい。」「練習しなきゃね!」とどのクラスも意気込む。早速クラスや学年を超えてのサッカー。「〇くんこっち。」「パスパス。」と声をかけ合い、足を沢山動かし、敵からボールを奪おうとする。各々がボールを取ろうと真剣な表情。ボールの周りを沢山の子達で取り囲む。「遠くにけって。」「OK!」ようやくボールをけり出すと、勢い良く転がる。ボールの速さに負けないくらいのスピードで子ども達も必死に追いかける。技に磨きがかかり、相手にボールを取られない様、フェイントをかけたりスライディングをしたりと場面に応じ使いわける。
「よぉーし、ゴール前に来た。」「〇くんチャンス!」「シュート!!」とけったボール。相手チームは点数を入れられまいと「皆で守ろう。」「おー!」とゴール前で壁を作る。しかし、ボールは壁の間を通りゴール目前。キーパーは体勢を低くし、ボールの行方を追う。「〇ちゃん守って。」「頑張れー。」の仲間の声援に、より力が入る。「〇ちゃんナイスキャッチ!」「よく守ったね。」とハイタッチ。仲間の活躍を自分の事の様に喜ぶ。チームで力を合わせ守りきった。「わぁーくやしい。」「〇くん、おしかったよ!」と励ましたり声をかけ次の展開へ。時に「やったぁー8点目!」「今8対1ね。」と点差が開く事もあるのだが「次は絶対入れるぞぉー!」「10点入れて逆転しよう!」とチーム一丸となりあきらめる事なくくらい付く。「〇くんサッカー上手だよね。」「〇ちゃんも上手になった!」「点数入れててかっこ良かったよ。」「今度サッカー教えて!」と友達に褒められたり認められると本当に嬉しそうである。日々の遊びの中で力を付け友達から刺激を受け仲間と共に成長してきた。今では大人もかなわない程のパワーで思いきり遊んでいる。
《年中組》カギどろ =泥棒を捕え、ろうやのカギ(ボール)を守る鬼チームと、
逃げる泥棒チームで行う鬼ごっこ。=
「今日のカギどろはカギ2コでやってみようよ!」そんな仲間の提案に「おっ!いいね。」「面白そう。やろう、やろう!」と皆で急いで準備。「カギは2コあるから、ろうやから逃げる為には、ちゃんと2コ開けないとね。」「うん、1コ開いただけじゃ逃げられないよ!」とルールの確認も忘れない。そして、遊び開始。泥棒チームは仲間が鬼に捕まりろうやに入ると、いつもの様にカギを開けにくる。しかし2コに増えている為なかなか上手に開かない。あっという間に全滅してしまった。「もう一回やろう!」と再挑戦。が、すぐに全滅…。「悔しーい!!」「どうしてこんなにすぐに捕まっちゃうの?!」と悔しがりながらも考え始めた子ども達。「ねぇ、カギを守る人を減らしてみようよ!」「いいね!守りは1人でどう?」「えっ!1人だとすぐに開けられちゃうよ…。」「じゃあ、カギを離して置くのは?」「いいかも!それで1コのカギの所に1人しか守っちゃダメね。」「オッケー。」とお互いのチームが納得いく様にルールを変更し、再び遊び始める。すると、今度はカギが開いたり閉まったりで、一回戦が長く続く、「もう少しで全滅だ!!」と鬼達が気を緩めていると、泥棒チームの子がどこからともなくやってきて、ポーン!!とカギを開け一斉に逃げていく。「どこに居たのー?!」と驚きながらもまたすぐに捕まえに行く鬼達。どちらも良い勝負だった。また別の日には「隠れながらカギ開けに行こうよ!」「1人じゃ2コ開けられないかもしれないから皆で行こう!」「守ってる人は泥棒チームの子の名前を大きな声で教えてね!」「挟みうちで捕まえよう。」などと、どちらのチームも作戦を立てる姿が見られた。今では走るスピードや動きがぐんと速くなった子ども達。だからこそ、ルールをつけ加えたりして遊びを発展させることも増えてきた。その中で仲間と意見を出し合い皆で考えることでさらに遊びが盛り上がっていくのだ。
《年少組》たかおに
「今日は何して遊ぼうか?」「○○やりたい人手あげて!」「ハーイ!」と多数決で毎日色々な遊びがくり広げられる。「高鬼やろう!」(高鬼とは、鬼の白チームと逃げるカラーチームに分かれて鬼がカラーを捕まえる。高い所にいれば捕まらない。)と決まると自分達で白とカラーに分かれ「よーいスタート!」とすぐさま遊びが始まる。汽車の上に逃げている子達が「階段から鬼が来たぞ!」「すべり台の方から逃げろ!!」と声を掛け、捕まるまいと必死に逃げる。始めの頃は自分が逃げる事で精一杯だったが、最近は鬼チームの動きを察知すると同じチームの子に教え、個の動きから複数で逃げる楽しみも味わってくるようになって来た。しかし、鬼チームも黙ってはいない。大きなすべり台では、逃げ道が沢山あるが鬼同士声を掛け合い「僕、階段から行くね。」「私すべり台の下で待ち伏せしておく!」と連携プレーで追い込んで行く。また、高い所にのっていないと思い鬼が10秒数えずタッチ。(鬼は10秒数えると高い所に登れる)すると「ここも高い所だよ。」とマンホールや水道の裏の囲いなどにのっている子もいる。日々の中で遊ぶ機会が増すと園内の新たな高い場所を発見するのも上手くなり、遊具だけでなく様々な所へ逃げ園庭全体を走り回っている。4月のごっこ遊びを取り入れながら園庭で遊びをスタートした年少組も、3学期に入りルールが加わった遊びをより理解し、走り回る距離もずいぶん長くなった。また勢いが増す姿には成長を感じる。毎日一緒に遊んでいる仲間とだからこの様な連携プレーが自然と出きるようになっているのである。あと少しではあるが、最後まで皆で盛り上げ楽しんで行きたい。