くらすの育ちから

《年少組》挨拶
落し物を拾ってもらったり、制服を着るのを手伝ってもらうと、自然に『ありがとう』の言葉が言えるようになってきた。また、ぶつかってしまった時は、すぐに「ごめんね。」と互いに言いながら砂を払ったり、涙を拭き合ったり。友達の物を取り違えてしまった時も「○くんのはこっちだよ。」と教えてもらうと「間違えてごめんね。」と私が駆けつける前に解決している。以前「ありがとうは心をあったかくできる魔法!ごめんねは仲直りできるステキな魔法だから皆には沢山魔法をかけて欲しいな。」と話した。すると素直な子ども達に届き、友達との関わりの中で実践して何度も感じる事ができた様だった。子ども達同士の関わりの中でありがとうの言葉を聞く度に、私は「あったかくなった?」と聞いた。すると「うん!ほっぺがあったかくなったよ。」「僕はおしり。」胸を両手でおさえながら「ここがあったかい。」と感じた所を言い合っていた。なかには2人で「お腹があったかくなっちゃった。」と抱き合ったりもしていた。時には忘れてしまう時もあるが、そんな時は周りにいる子が「魔法忘れてるよ!」「なんて魔法かけるんだっけ?」と促す姿も見られる。しっかり魔法の言葉を言えると「魔法きいたね。」「良かった。」と嬉しそう。「本当だね!みんなステキな魔法使いになれたね。」と私が言うとテレながらも「うん、お兄ちゃんだもん。」「私はお姉ちゃん。」と顔を見合わせている。また、挨拶はもちろん、遊びに入る時も「入れて。」「いいよ。」や、友達が使っているおもちゃを使いたい時の「貸して。」なども一段とスムーズに言えるようになってきた。今までは気持ちを上手に言葉にできずトラブルもあったが今はなく、沢山の魔法を使いながら皆とうまくつき合い楽しく過ごしている。

《年中組》運動会遊戯
おしゃべりが大好きなたんぽぽ組では、毎日いろいろな会話がくり広げられている。そうじの時には、「ぞうきんって何で四角いのかな?」「確かに!気になる‼」「はじっこも拭けるように四角いんじゃない?」「なんだか、はんぺんにも似てない?!」と話していたり、お弁当の時にも「最近、みかん持って来る人多いよね!」「みかんの季節になったからね!」と1学期は会話に入れなかった子達も日々の活動を通し、子ども達同士で会話を楽しめるようになった。又、運動会の時には遊戯がイロトリドリに決まると、練習をくり返していく内に、子ども達同士で、声を掛け合いながら踊っている姿も見られるようになった。ある日の事、1人の子が「先生!あの曲かけて!!イロイロドリ!!」と曲名を間違えてしまった。それを聞いていた周りの子達が「イロイロドリって何?!」「新しい曲あるの?」「それってもしかしてイロトリドリのこと?」と口々に言うと間違えてしまった子は、「運動会で踊るやつだよー。」と恥ずかしそうにしていた。すると1人の子が、「イロトリドリとイロイロドリって似てるね!!」と言う。その一言から「なんだか、いろいろな鳥に変身できそう!」「高くジャンプしたら良いかも!」「黄色い旗が羽みたいだしね!」「たんぽぽ組だから黄色い鳥に変身しちゃおう!!」と会話が盛り上がっていった。言い間違えてしまった子も安心したのか話しに交ざっていた。そんな子ども達を見てたくましくもあり、柔軟な発想に驚いた。その後、子ども達は鳥になったつもりで、1曲分、思い切り踊ると、汗だくになりながらも「なんだか、いつもより手がのびてたかも!!」「ジャンプも高く飛べたー!!」「旗が羽みたいに軽かったね!」「鳥になるのは良いねー!!」と、とても楽しそうにしていた。又、室内遊びの時間に曲をかけて皆で踊ったり、お弁当の時にも曲をかけながら運動会の話をしたり、当日も元気一杯、踊っている子ども達の姿を見て、本当に曲に親しみを持ってくれているのだと嬉しく思った。日々の活動の中で、力を合わせ協力し合い皆で一つの物に取り組むことにより、仲間意識も深まり、子ども達同士の関わり合いも密になってきた。これからも、子ども達が主体となり、意欲的に活動できるように環境を整え援助していきたい。

《年長組》ポートボール
「ポートボールやってみない?」と私が提案すると、「やりたい!」と目を輝かせる。ポートボールとは、2チームに分かれ自分のチームのゴールに立っている人にボールを投げ、キャッチしたら1点入るというバスケットに似たルールの遊び。早速ゲーム開始。ボールをキャッチすると、自分のゴール目がけて走り出す。最初はラグビーの様にボールを持って走るだけの子達だったが、やっていくうちに「○くん、ドリブル、ドリブル。」の声にボールをポンポンついてみる。しかし、ドリブルは少し難しくボールをついた瞬間、コロコロコロ…とボールが転がる。「あららららぁ。」「わぁー待てぇ。」と急いで追いかける「パスパス」とあちらこちらから声がかかり、相手の動き見てパスする相手を見極める。「○ちゃんパス。」と投げたボール。いい所にボールを投げ(よぉーし、1点入るぞぉー。)と私も思った瞬間、相手チームが横からピューッと来てボールをキャッチ。なんという素早い動き。「わぁーやられた。」「○くん格好いい!」と感心していると、すぐ様相手チームの反撃開始。凄いスピードで突き進む。相手チームも点数を入れられまいと、ボールを持っている子を追いかけ、「○ちゃん守って。」「OK。」「○くん。」ととり囲み壁を作る。しかし、その子達の間をスルッとすり抜け、ゴールは目前。「シュート。」と投げたボール。「あぁーダメだぁ。」と思った時、『パーン』とまるでバレーボール選手の様な見事なアタック。「○ちゃん上手。」「イエーイ。」と喜び合う。私も驚く程のスピード。遊びの回転も速くなってきて、とても楽しい。以前だとやはり大人の私が入っているチームがどの遊びも勝つ事が多かったのだが、今はそうはいかないのだ。「あれっ、逆転されてる。どうする?」と私が言うと、「五郎丸になろう。」とあの独特なポーズを決め出す。「知ってる。」「よぉーし、僕も。」「指はこうやってやるんだよ。」と本格的なポーズを伝授してもらい、皆で五郎丸に大変身。楽しくて皆で大笑い。「よぉーし、絶対点数入れるぞぉー。」「おー。」と気合を入れ直し、ボールの元にかけつける。「ポートボール楽しい。」「またやろう!」の言葉に笑みがこぼれる。日々の生活の中で、仲間関係が深まった今、遊びを発展させ、子ども達でより楽しい活動へと変えられている。

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