9月始めのクラス

 夏休みあけ、子ども達の大きな変化をたくさん目にする。声がかからなかった子から『おはよう』の挨拶をされたり、見ているだけだった子が会話をしていたり、楽しそうに踊っていたり。1ヶ月半の成長と久々の再会がひき起こすうれしい現象である。それぞれが大きくなった9月始めのクラスは、やはりエネルギーが増している。
 
 朝から雨にもかかわらず「僕走りたい!」「私もっ。」続いて何人もが走りたい走りたい…と言い出す年長。押しが強くなっている。こんな時は体育館。室内なので定番のドッチボールあたりをやるのかな、と思いきや「じゃ、バナナ氷鬼ね。」(本格的な鬼ごっこ)『ひえー!』と心の中で声をあげる私。そして外さながらに走る走る。さらに園庭より狭い分、つかまるものかとたくみに動きを変える子ども達。こまめに急カーブを入れてくるので今、前にいた子がつかまらない。体を上下左右に動かす子などは雲のようで全くつかめない。これが子どもの今だ。いよいよ大人はぬかされる。それを2学期早々に思い知らされるとは何とも早くて予想外。
 
 全園児が外遊びをしている大人数の中、自分のクラスをよく見て園庭全部を使い、鬼ごっこが続く様になった年少組。追いかけた先で(注意が別に向き)そのままもどって来ない1学期をふり返ればすごい事。走るスピードもつきその気にさせる言葉などかけられるとたちまちスイッチMAXで突進する。逆まわりの発想がまだなくて、同じ所を何周も延々追いかけっこしていたってへっちゃら。皆で何かをする事が楽しくなってきた今、運動会活動に取り組む姿勢もがぜん前向きである。遊戯の決めポーズでは怪獣になりきり度満点でガオーと叫び合っている。休みあけで泣いて来る子もいるが、クラスの勢いにまきこまれ、いつの間にか動き出している。
 
 年中は長い言葉を話す子が増え、皆でしゃべるものだから何を言っているかわからない。が、気持ちはわかる。ドーナツ鬼のドーナツを3つも園庭に描きたいと言い出し、かなりのスペースを使う事になり、他クラスの手前内心ヒヤヒヤ。話し合いもおもしろい事にも間違った時も大勢の目がサッと集まるのを感じる。そしてストレートに主張し、笑い、指摘する子が多くなってきた為、クラスが1つで何だかとても楽しいのである。
 
 どの学年も子ども主導の動きがジワジワ強くなってきた。一度入ると最後までやめず積極的に遊ぶ子が格段に増えている。そんな変化を前にはりきる担任。成長した大勢のエネルギーをぶつけられると自然に気があがる。子どもと大人のこんな姿を見ていると何やら無性にうれしくなり、こちらも負けずに仕事がんばらなくては、と思う。至る所に相乗効果がみられ、この勢いで運動会に突入である。

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