入園・進級に際し

3月の修了式で涙の別れをし、年長児が巣立っていった。寂しい思いが残る中、春休みに入る。
そして4月となり、新たな出会いが訪れ、H30年度がスタートした。

《年少》
 入園したばかりの年少児は、外靴と上ばきの区別をせず、上ばきのまま園庭に出てしまう子もチラホラ…。一斉活動の為入室した誰もいない園庭をながめ「外で遊びたい。」と言う子。「すぐ終わる?」や「ママに会いたい。」と泣く子。突然、他学年の遊びに交ざり、数秒単位の飛び入り参加をする子などもいる。
 園舎内見学では、長いゴムを輪にし電車の様に連なって見回るが列は、一瞬でバラバラになってしまう。並んだ順番は知る由もない。しかし、トイレに行く時間を利用しては、忍者になって壁ペッタンと並ぶことを覚えていく。最近では、男の子・女の子の2本列車!!と2列に並ぶ事も上手になってきた。5月に入り『初めての給食』、お弁当を持って来た子も給食を取りに行ってしまい、数が足りないことに…。(食べる前に気づきホッ。)また、「どうせ取りに行くなら大きい方が…」と、涼しい顔をして担任の給食を持っている子。真新しいお弁当箱やおはしセットのキャラクターを嬉しそうに教えてくれる子もいた。
 なかなか馴染めず泣いている子には、うさぎにエサをあげに行ったり、砂場で遊ぶと、気持ちが落ち着き涙も止まった。個別に対応していき、無理せず集団の中で過ごせるよう援助し、クラスの仲間や担任の元へ連れていく。いずれ担任の方といたいと思える瞬間が必ずやって来るので、その時「これで良し!」と思える。担任を受け入れ、信頼関係が芽生えている証だ。4クラス巡回していると「今日は泣いてないよ。」と自らこちらに来てくれて、気持ちのゆとりも伺える。
ようやく1日中泣いている年少児の姿はなくなり、簡単なルールの集団遊びをしながら、担任の周りで遊べる様になった。
 殆どの子が初めての『社会生活。』多様で、自由な年少ならではの4・5月の光景だ。何が起こるか?のドキドキと面白さが入り交じる毎日。まず幼稚園の生活のリズムに慣れ、遊びの楽しさを体感していってもらいたい。

《年中・年長》
 3月の新クラス発表後、進級したら使う靴箱の場所を皆で確認しているものの、体は今までの習慣が身についたまま。自然と旧クラスの靴箱まで行ってしまう。ふと我に返り、「アレッ違った!!」と気づく子もいれば、「もうクラス違うからあっちよ。」と先生から声をかけられる。園到着後、最初に利用する靴箱は、進級した事を認識させられる。また、旧クラスの子と手をつなぎ、ウキウキ歩くも各クラスの前で「じゃぁーね。」と別れそれぞれ身支度を済ませる。そこでもまた生活の変化を実感する。戸外で遊び決めをする話し合いでは、控えめだった子が発言するようになっており、成長を感じる一方、昨年度とりまとめ役をしていた子は、新しい顔ぶれに緊張している模様。体を動かせば、スイッチも入り緊張が解き放され発散出来る子もいれば、思うように体が動かせず、立ち止まり周囲を見ている子もいる。そんな時は、担任がサッと手を引き一緒に走り出す。
 一方で、1年2年前泣いて登園していた子は小さな年少組の世話をし、靴箱まで連れて行ってあげたり、降園時には、迷子にならない様迎えに行き、手をつないで並んでいる姿に優しさが見える。
 進級早々、年長児はスコップを持ち、たけのこ掘りへ。ちょっぴり優越感。「竹やぶの中って涼しい!」「こんなにたくさんの皮に包まれている!!」「1本丸ごとは重いね。」と知り、他園では、なかなかできない体験。
子どもと一緒に皮をむき、掘りたての匂いも感じる。そのむいた皮を年中・年長は手首まではめて『〇〇星人』に変身したり、たけのこ城(砂山に皮をさしたトゲトゲ山)を楽しみ、会食に留まらず、遊びにも展開していく。

 
全学年、この時期は担任がリードし、より多く声を掛け、コミュニケーションやスキンシップをはかり信頼関係の土台作りを重ねていく。また、クラスの仲間と楽しさを共有しながら互いを知っていき、1日も早く『素』の自分を出し、旧学年の終盤の姿や家庭での表情に近づける様努めていく。

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